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まちの灯火のようなうどん店

駅前通りの脇の小路から石畳の路地に続く日の出町商店街。

往時の繁華街の面影を残す飲食店が立ち並ぶこの地で、昭和28年の創業以来地元の人々に愛され続けている「こまつうどん店」。




この店を営んで50年以上、店主の渡邉徳久さん(75歳)。

店内に入ると、「いらっしゃい」といつもの笑顔で迎えてくれる。

毎日ご夫婦で店に立ち、今は厨房はお店を継いだ息子さんに任せている。



ところで信州といえば蕎麦処だが、なぜうどん店なのか。

実は渡邉さんは東京神田の生まれ。三崎町の古本屋に生まれて間もない頃に東京大空襲を逃れて大町へ移り住んだそう。

幼子を連れて初めて大町の地に着いた時、店主のお母さんは辺り一面雪で真っ白の景色を目の前に途方に暮れたという。

江戸っ子と聞けばやはりうどんより蕎麦だが、渡邉さんの母方の実家(店名の由来の小松家)のおばあさんが、その昔大阪で料亭に勤めていたこともあり、うどん店を始めて現在に至っている。


大町は戦前からアルミニウムの工場(のちの昭和電工大町工場)が立ち、国産アルミニウム第一号が誕生、戦後は黒部ダム(いわゆる「くろよん」)の建設工事など水がもたらす産業振興で発展した町。渡邉さんは小さい頃見たアルミのピカーっと放つ強烈な光が今でも脳裏に焼き付いていると言う。


このお店の自慢はなんといってもコシと歯応えが抜群の手打ちうどん。

うどんの小麦粉も国産100%にこだわり、噛めば噛むほど小麦の甘みが口に広がる。

選りすぐりの地元食材、そして何より大町の水で引く旨味たっぷりの出汁。

特に調合にこだわったスパイスとだしの効いたカレーはクセになる美味しさだ。


これまでに数々のアイデアメニューも考案、地域を盛り上げるべく貢献してきた。

後を継いだ息子さんも、店主の味を引き継ぎながら、さらに味を進化させている。


「身体にやさしく、安心して、何より美味しいものを食べてもらいたい」


気さくな人柄の裏側に感じる強い信念と地元への思い。


寒い日も暑い日も、雨の日も雪の日も、横丁を曲がるといつもそこに灯りが点いていて、そこにはホッとする味が待っている。まちの灯火のような、そんな店だ。



こまつうどん店

大町市大町日の出町3306-14





















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