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商店街のお母さん

駅前から続く本通り商店街。学校帰りの子どもに作りたてのお菓子を手渡す洋菓子店のおかみさん。通り沿いの花壇に日課の水やりをする電気店のお母さん。店先で立ち話したり、はたまたベンチに座って話し込む常連さん。数件先のご近所さんに声をかけ合ったりと、昔はあたり前だった日常風景が今はとても貴重だ。


アーケードの軒下を歩く色とりどりのランドセルの子供たちに声をかけるのは、駅前本通りの中心地にある老舗呉服店「いちまる」の傘木阿佐子さん。まちなかのお母さん的存在だ。



このお店の前を通る子供たちが代わる代わる元気に挨拶をしていく。このまちの子供たちは挨拶がしっかり習慣付いている。横断歩道を渡る時は一礼、すれ違う時も必ず挨拶。この前は運転中に一時停車したら、お先にどうぞ、とばかりに大人びた手つきで促されてしまった。

今ではベテランお母さんとして、商店街の若いお母さんの相談役の阿佐子さんがお店に嫁いできたのは30年以上前のこと。お店の前で会うといつも心がまるくなるよう笑顔で迎えてくれる。そんな阿佐子さんも、その昔は辛いことがあると、お店の裏の大きなイチョウの木とブランコがある場所でこっそり泣くこともあったのだとか。(ちなみにその場所をこっそり探しに行ったけれど今はもうなかった)「私にもそんな時代があったのよ。信じられないでしょう(笑)」と、その笑顔はどこまでもおおらか。



最近はシャッターが特に目立つ通り沿いで、しばらく閉まっていたお弁当屋さんが新しくハンバーガー屋さんになると聞いた。そのシャッターが開く日を楽しみにしている。



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